Gate23:プラハでスキンヘッド集団に襲われる

プラハの夜

 

「うわ、俺かい!!」

 

 

車は一向にスピードを落とす気配がなく、

 

それどころか、スピードは上がっているようだ。

 

 

 

車が目前に迫った時、俺は必死で車道へと飛び降り、外国人に危害を加えようとする意志をもった車との衝突を回避した。

 

 

 

 

俺は後ろを振り返らず、その場から逃げ出した。

 

車がUターンしてこないことを祈りながら。

 

 

 

逃げたゆうても、走ってへんねん。

 

ちょっと速歩きみたいな感じやわ。

 

 

 

 

”なんで”って?

 

 

 

 

そんなんしんどいからに決まってるやんけ。

 

 

 

このくそ重いバックパックがなければ、走って逃げてたやろうけど

 

ドイツでの日常生活で増えた荷物は、30kg近くあった。

 

 

 

なんせ突然の出来事に、俺の頭の中は真っ白になっていた。

 

 

 

”なんであいつは鉄パイプやのうて、折れた道路標識振り回しとんねん。

 

 スキンヘッド集団てホンマにおるねんな。”

 

 

 

そんなことを考えるのが精一杯。

 

 

 

しばらくして、やっと落ち着きをとり戻しかけた時、

 

俺の視界に信じられない光景が映った。

 

 

 

歩道の左側に広がる、汚い芝生のずっと奥から、

 

20人ぐらいの警察官が、バラバラなって、こっちの方角へ歩いて来ている。

 

 

 

「えっ、あれ警察やんな。」

 

 

 

俺は、何度も何度も振り返りながら確認したが、どう見ても全員警察官の格好をしている。

 

 

 

あいつらどっから出てきてん?

 

 

 

なんで夜中に20人も警官がかたまって歩いてんねやろ?

 

あっ、そうか。

 

ここらへんは、治安悪そうやから夜中でもちゃんと警備してんねや。

 

この国は、えらいちゃんとしてるなー。

 

 

 

 

なんて思うわけがなく、夜中にウロウロしてて職質されたら、

 

またドイツの時みたいになるのを恐れ、彼らが近くに来る前に逃げだした。

 

 

 

今度は、走った。

 

 

 

彼らが見えなくなり、冷静になってくると、

 

今度は泊まるところがまだ決まっていないことに気付く。

 

一気に疲れがでてきて、俺は朦朧としながらフラフラ歩いていた。

 

 

 

歩くこと40分。

 

 

 

いつのまにか、俺は遊び帰りの白人女性3人と仲良くなっていた。

 

どうやら彼女達も、俺が向かっているホステルに向かっているらしい。

 

 

 

彼女達と仲良くホステルに向かった俺は、そこで、壮絶な言葉を浴びせられた。

 

 

 

 

  「I hate you !」

 

 

 

 

 

俺の所持金あと1209ユーロ。

 

(約15万円)