Gate10:ケルンのメッセで働く体験

メッセで働くことになった俺。
メッセとは、簡単にいえば世界的な見本市の事である。
もっといえば、新製品の世界規模の展示会みたいなかんじ。
ドイツはメッセが盛んで、各地で、毎月メッセがおこなわれている。

 

期間は1週間。
時給5ユーロ。

 

いい条件ではなかった。
が、なんせ短期でもいいから早く働いてみたかったのと、
うまくいけば、正規で雇ってもらえるチャンスがあったから。

 

そう、つまり正規で雇ってはもらえなかった。
ビザもってんのに。

 

オーナーがドイツ人とイラン人のハーフやねんけど、
こいつと、どうもうまいこといかず、
結局バイトは短期で終わった。

 

仕事探しに逆戻り。

 

この時点でもう、ケルンで働けそうなとこはなかった。
ほんまは、あってんけど最低限こだわりたかったもんで、
俺は、他の街に行くことにした。

 

この時、次の目的地を決めるのに、めちゃめちゃ悩んだ。
デュッセルドルフ、ベルリン、ミュンヘン、
ハンブルク、フランクフルト。

 

さぁ、どこいこか。
デュッセルは、みんながやたら薦めてくるとこ、
でもあんま行きたないから最後の切り札に。

 

ミュンヘンは、遠い。
金かかるし、あかんかった時、近くに大きめの街がない。

 

フランクフルトは、イヤ。

 

そうすると、ハンブルクが残った。
特に興味はなかったが、近くに大きめの街もあるし、
ベルリンも遠くない。
が、やっぱり確立論で考えていくなら、どう考えてもデュッセルドルフ。
ここから近いし、他と比べてもチャンスが圧倒的に違う。

 

どうしよ。

 

デュッセルドルフ、
ハンブルク、
どっちでも同じようなもんかもしれんけど、
俺からしたら、安定をとるか、冒険するか。
そんな感じや。

 

いや、マジでハンブルク行ったらベルリンまでは行けるとしても、
それもあかんかったら、その時デュッセルまで戻る金残ってんのか?
どうやねん?

 

俺が一番恐かったのは、金が無くなって帰国すること。
それじゃあ悲しすぎる。

 

実は、電話とかFAX使ったりして他の街の店にコンタクトとったりもしててん。
ほんで、今すぐ来てください、ってゆうとこもあったし、
ケルンでできた友達から仕事の紹介もあってんけど、
俺には最低限ゆずれないものがある。

 

とゆうことで、そこで働かしてもらっとけばいいものを、
調子にのって北上していった。

 

そう俺は、ハンブルクへ向かうことにしたのだ。

 

ここで仕事を決めておかなかった事が、
後にハンブルクで痛い思いをすることになろうとは思いもしなかった。

 

 

俺の所持金あと14万。