Gate4:ドイツ入国の攻防、パスポート問題

その後、審査官は後ろの並んでいる人達を
他の列へと追いやり、俺を奥の部屋へと連れて行く。

 

しかし、この時俺は、余裕があった。

 

奥の部屋といっても個室やなく、国境警察の人間が集まる場所、
職員室みたいなとこやったし、連れていかれた理由もわかっていた。

 

俺のパスポートは、かなりボロボロやった。
以前の旅行でかなり痛んでおり、写真の部分は表紙からはがれていた。
その部分を接着剤で貼ったもんやから、所々に空気が入り、
できのわるい偽造パスポートみたいであった。

 

まあそんな理由でまだまだ余裕のあった俺だったが、
どうも様子がおかしい。

 

そこにいる奴ら全員で、俺のパスポートをチェックしている。
そして、いくつかの質問を俺にした後、とうとう俺は地下の別室へ連れていかれる。

 

別室、、、

 

俺は後輩の川崎から、別室へ連れて行かれると
全裸にされ、肛門の穴まで検査されるという
うそくさい話をきいていた。

 

そのため俺は、地下に続く長い廊下を歩いている時、
肛門になんか突っ込まれてもええように
腹くくった。

 

せやけどなんでやねんっ、
ちゃんと調べたら本物か偽造の区別ぐらいできるやろが。

 

徐々に、いらだちが増してくる。

 

そして別室に入って1時間後、

 

審査官のその一言で、とうとう俺はマジに弁解せざるを得ない状況においこまれるのである。